こう見えても編集長ハルは昔文学青年であった。好きな作家は三島、国民文学であれば司馬遼、その他大御所(漱石、芥川など)の純文学と呼ばれるものはたくさん読んだ。※しかしほとんど記憶に残っていないのはなぜ?!
ところが社会人になるといつの間にか本を読まなくなり、気がつけばハルの愛読書は少年マガジン連載中の漫画『はじめの一歩』だけとなってしまった。
この間、久しぶりに「まあ、たまには普通の本でも読んでみるか」と本棚にある三島の『豊饒の海』第一巻『春の雪』に手を伸ばす。
しかし読み始めていくと
まったく読めない!
読書への集中力ゼロ!
そして一章どころか一ページ読んだだけで、本を棚に戻すのであった。
とうとうハルは本を読めない体になってしまった。
理由はある―。そもそも面白いと思う本に出くわさなかった。昔読んだ直木賞の本はやっぱりおもしろい。
『高円寺純情商店街』『青春デンデケデケデケ』とかは何度か読み返すほどおもしろかったし、井上久(ハルがもっとも尊敬した作家)はいま読んでもおもしろいだろう。
しかしそれ以外の直木賞、芥川賞はあまりおもしろくなくなって、つい最近では直木賞・芥川賞なぞこれっぽっちも興味を示さなくなった。
で、今日もいつもと同じように、ネットでおもしろそうなニュースをチェックしていくと…芥川賞受賞・田中慎弥「とっとと会見を終わりましょうよ」 喜びの声なく終始不機嫌…うん、なんなのだ、この興味を引きそうな話題は…そしてその記者会見の映像をニコニコ動画で確認。
これはおもしろい!
久しぶりに文学界への興味が沸く作家の登場である。好きだなあ、こんな奴。太宰みたいなもんか。いっちょ読んでみるか。今度日本に行く人に買ってきてもらおう。本を読まないうちから、田中慎弥のファンになってしまうハルであった。
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