編集長ハルのインドネシア滞在5000日

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『指紋押捺』

数年に一度、ビザ切り替えにともない、イミグレーションで行う指紋押捺。ハルにとって今はその時期でもあり、昨日イミグレーションに行ってきたところ。

親指から始まり、人差し指、中指、薬指、小指、そして人差し指〜薬指四本まとめて、次々に指紋を取られていく。それを左右やられるので、なんだか犯罪者扱いされたような気持ちになり、以前はちょっと怒りを覚えたものだが、ここ数年は当たり前のように、またまったく大したことがないように思えて、別に文句を言う気持ちもさらさらなく、ただ牧場の家畜のごとく無反応に、係員のされるまま手を出していた。

ただこの頃は、警察でもそれを行わないといけなくて(今回もイミグレーションのあと、すぐに警察署へ出向き、同様の作業を行った)、これだけITが発達しているのだから、せめて指紋押捺ぐらいは警察とイミグレーションが連動してもらえば、二度手間が省けるのになあと別の愚痴をこぼすのは、ハルだけではあるまい。

指紋押捺に関して「まったく時代遅れのことをしている」とは、こちらの言い分であって、インドネシアからすれば彼らが考えられる「ベストの選択をしている」のだろう。だから、そのことはとやかく言うまい。

逆に今回「少しインドネシアもよくなっているかなあ」と思ったのが、指紋押捺台の横にある石鹸とタオル。以前は石鹸入りのティッシュをエイジェントが用意してくれていたものが、近頃はイミグレーションや警察署でも、それを備えている。ありがたく使わせてもらうことにした。

難をいえば、イミグレーションの石鹸は洗濯石鹸で、これはインクがよく落ちるのであるが、手に嫌なベトベト感が残ってしまい「この石鹸、何とかしてよ」と…。おっとまた文句をいってしまった。これではまるでハルの女房である。

しかし、こんな面倒なことがありながらもインドネシアを離れることができないのは、なぜだろう。「帰っても職がないから」ではないと思う。それもインドネシアに長期滞在する理由のひとつによく挙げられるが、もっと本質的なところで、インドネシアに対する思い入れがあるのではないか。帰りたければ、本当に帰ろうと努力しているはずだ。この頃、つくづく「なぜ、俺はこんなところにいるのだろう?」と自問している。回答はまだ見つかっていない。人に聞かれたら、とりあえずは「帰っても職がないから」と答えているけれども。


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