この時期、街中に乞食が多数出没する。通常は見かけない乞食の新顔がたくさんあらわれるのだ。田舎から連れてこられたパートタイム乞食といったところ。
日本の乞食(いまはほとんどいないらしいけど)と違い、こちらの乞食は元気なものが多い。少々小汚い格好をしているだけで、体は健康そのものである。
「お前、そんなに元気なら働けよ」と思ってしまうが、まあ、彼らにしてみれば、これも職業のひとつなのかもしれない。
個人で営業(?)しているものは少なく、これは大抵、親方みたいな奴がいて、たくさん貧乏人を集めてきては、朝夕にトラックで、彼らを各地点に配置していくのである。収益金は当然親方に渡され、彼らは親方から、駄賃をもらう仕組みである。
栄養失調でガリガリなんて乞食はいない。そんな奴はその辺で休んでいるのだろう。それにこの頃、男の乞食は見なくなった。男の乞食だと、みんなが警戒して(強盗の恐れもあるので)、車の窓を開けないため、お金がもらえない。結果的に街中にいる乞食は、おばあさん、子供連れのおばちゃん、小さな子供などになってくる。
ハルにもまだ三歳半の子供がいるので、子供にはついつい小銭をあげてしまう(100ルピアか200ルピアだけど)。結果的に親方がほとんど吸い上げるのだろうけど、それでも親方は、彼らに飯を食わせているのだから「彼らが餓えることもあるまい」と妙な理屈をつけて、理不尽さを考えないようにしている。
|