つい最近、我が家のお手伝いを首にした。
25歳。田舎に子供がひとり、亭主とは別居中(というより、亭主が帰ってこず、ほぼ離婚状態)で、出稼ぎに来ている最中。インドネシアでは非常によくあるパターンだ。
よく働き、手癖が悪いこともなく、四歳になる息子も懐いていたので、今回の一件がなければ、首にする必要もなかったのだが。
で、その今回の一件といえば―
今月中旬ごろ、ある男がやってきた。背は低く、作業着のような服をきて、サンダル履き。どう見たってまともな職についているようには思えない。我が家のお手伝い(名前をイラとしておこう)に用事があるとか。
門の脇で仲良く話しており、一向に帰る気配がないその男、我が女房が訝しがって
「イラ、誰なの、その人?」
「友達です」
「ふーん、でもまだお掃除終わってないでしょう?また明日にしたら」
しばらくして男は帰ったという。
その翌日。またまた男がやってきて、イラと話に興じる。よく飽きもしないものだとそのまま放っておいたが、さらに翌々日、今度は女房がいないときにやってきて、朝10時頃から夕方の4時頃(大家さん談)まで門脇で話していたそうだ。
仕事も中途半端になってきて、電話もしょっちゅう、これはお手伝いとして使い物にならない。女房が問い詰めたところ
イラの話―。今度指輪を交換するので(婚約するという意味)二、三日休暇がほしい。彼とは去年の大晦日(先月末である)に知り合った。仕事は警察官で(あるはずがない)、彼の両親も結婚に賛成している。
こちらは肉親ではないので、彼女が「つい数週間前に知り合った、正体不明の男(自称警察官)」と結婚することに異を唱えることはできない。せいぜい「そんな男は信用できるわけがない。やめておきなさい」とアドバイスするぐらいなのだが「恋は盲目」のことわざどおり、彼女はまったく耳を貸さない。
こちらが心配するのは、その男がろくでもない奴で、(女房が)家を留守にしている間、男を引っ張り込むのではないか、あるいは最悪彼女を使って我が家の物をくすねることは十分あり得る。いや間違いなくそうなるだろう。
まじめな女が男次第で悪いことをする事例をたくさん見てきた。実際被害にあったこともある。
今回、早目の首は正しい判断であると思う。お手伝いには給与三ヶ月分を渡し、首を言い渡した。イラも迷惑をかけたと思っているので(あるいは見得もあったのか)「いらない」とその受取を断ったが、後々その男が退職金をせびるに来るとも限らないので、無理矢理そのお金を手渡した。。
女房は「もう、お手伝いを雇うのはコリゴリ」と言い、家事に追われる今日この頃である。
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