一年半ぶりの一時帰国。今回は女房(インドネシア人)・子供(4歳、ハーフ)を連れての帰国である。一人で帰国するときは、そんなに長い航路だとは思わなかったが、小さい子供、および外国人の女房を連れていると、やれ、トイレ、やれ、お菓子、やれ、おもちゃ、やれイミグレと滅茶苦茶忙しく、いつ実家(大阪の堺なのだ)に到着するのだろうと乗り物を換える度にため息をついた。実家までの行程は、家〜チェンカレン空港(タクシーで二時間)、チェンカレン〜シンガポール〜関西空港(約10時間〜乗り換え時間も含めて)、関空〜実家の最寄り駅(バスで1時間)、最寄駅〜実家(タクシーで約5分)ということで、ジャカルタの自宅を午後4時に出て、大阪の実家に着いたのが、午前11時30分、都合17時間以上もかけて一時帰国したのである。う〜ん、一時帰国がこんなに疲れるとは…
さて関空での話―飛行機の旅をようやく終えて、実家の最寄り駅までバスを利用する。そのバスで目的地までのチケットを自動販売機で購入したところ、係りのおじさん(おじいさんに近い)がジェスチャーにてハルに話しかけてくるではないか。両腕を交差し×印を作って、ハルの子供を指差した。制服を着ているので、空港職員に間違いないのだが、なにしろ言葉をしゃべらず、ジェスチャーなので「このおじさん、外国人なのかな?それとも聾唖者なのかな」と訝った。職員に外国人を起用することも、聾唖者を起用することも時代の流れからして十分ありうる。外国人だと英語ぐらいなら大丈夫だと思って、英語で尋ねることに。しかし「what?」 というところを思わず「kenapa?」といってしまい、すぐに「what?」と言いなおしたが、そのおじさん、ようやく「チャイルド、四歳、ノー」と日本語・英語のミックスで言葉を発した。あれ?子供はバスに乗っては行けないの?と既に購入したバスチケットをそのおじさんに見せると、彼はハルからそのチケットを取り上げ、子供の分だけハルに返金してくれたのである。
そう彼の言いたい事は、四歳以下は料金不要ということなのだ。だから彼は親切にもチケットの料金を返金してくれたのである。ありがたい話である。ひさしぶりに感じた日本の親切であった。言葉を発したのだから、そのおじさんは聾唖者ではなかった。それなら彼は何人だろう?ベトナムかな?モンゴルかな?ベトナム人もモンゴル人も日本人によく似ている。そう思って彼を眺める。しかしハルが愕然としたのは、隣のお客さんに向かい、流暢な大阪弁で
「荷物はこれだけですか?」
そう、そのおじさんはハルを外国人と勘違いしたのである。言葉がなかなか出てこなかったのは、聾唖者だからではなく、なんとか英語でしゃべろうとしたからなのだ。げっ!ひょっとして、俺、外国人に間違えられたの?外国人に間違えられたからといって、いまさら落胆したりしないが、今度は先ほどとは別のバス係りのおじさんが、ハルの荷物全体を指差して「オール?」これで全部ですかとジェスチャー。そう、ハルはこの短時間に二度も外国人に間違われたのだ。いくらインドネシア生活が長いといっても、風貌まで変わってくるのだろうか。ハルのアイデンティティーは紛れもなく日本人なのだ。ちなみにパスポートの表紙は赤色で緑ではない。
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