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奇跡だ!ハルに「優勝せよ!」と神様の声が聞こえてくるようではないか。
なんせこの起死回生のバーディーで、残り二ホール残して5オーバーである。もしこれをパー、パーで上がれば、後半41となり(これはハーフ自己ベストなのだ)グロス90、ネット68で間違いなく優勝。たとえボギー、ボギーとしてもネット70でおそらく優勝。最悪ボギー、ダボとしてもネット71で優勝争いに絡んでくること間違いなし。
そうやって迎えた後半8番。ハルにしたら非常に長いパー5ホールなのだ。二打目までうまく飛ばしても川越の3打目が待っており、そうとう一打、二打で距離を稼いでおかないと、川越でパーオンするのは無理なホールである。
案の定、一打目、二打目と、まあ普通に飛ばして、グリーンまでの距離が200以上も残ってしまった。ここからピッチングで川の手前までもっていき、残りを8番アイアンで攻める。これが見事グリーンを捉え4オンに成功。ただグリーン奥にピンが切られており、7メートルのパーパットが残ってしまった。まさか一発で入るとは思わないが、なんとか2パットで収めたい。
気負いはダメ、意識しすぎてもダメ、ただ7メートルを大体あの辺に転がせばいい〜と思ったパット。それが40センチぐらいについて、よっしゃあ、あとちょっと。
さてふと邪な考えを抱いたハル。ここで「これって本当に優勝してしまうなあ」と思ったのである。もちろんコンペに出る限りはいつも優勝を狙っているのだけど、普通は前半で優勝の目がなくなり、後半はお楽しみゴルフをして、いいスコアが出るパターンが続いているので、まさか後半残り2ホールで優勝の可能性があるなんて、ここ数年なかった。
そう思うと何だか緊張してきて(本当は緊張するほどのことでもないのですけどね)、わずか40センチの距離(まっすぐ)をコツンと強めに当ててしまい、それがカップを舐めて痛恨の3パット!
「・・・・・・」
いかん、こんなことで挫けては。過去似たような失敗は何度もしているはず。まずいのは引きずるパターンだ。さいわいダボで済んだので、最終ホールをパーであがれば、ネット70、ボギーであっても71で優勝確率高し。
しかしゴルフの神様はどこまでも意地悪であった。最終ホールのティーショットはスライスして林方向へ(今日はほとんどスライスしなかったのに〜)。それがまた木の根っこにあり、これを70〜80メートル転がして、三打目にかける。残り110メートル、持つのは8番アイアン。これを乗せてなんとか3オン2パットで押さえたい。優勝圏内に踏みとどまるには、このアイアンショットを成功させるしかない。簡単なショットではないか。緊張する一瞬
そしてウィニングショットにつながる8番アイアンは
シャンク!
「・・・・・・」
この一打によって、最終ホールトリプルボギーを叩き、ハルのゴルフは終了した。優勝スコアはハルの予測どおりネット71であった。ハルのスコア―49・46の95、ハンデ22のネット73。嗚呼あの時、優勝を意識しなければ…。ああ、あの時普通に打っておれば…。ハルの苦悩は続く。
いにしえ会コンペ参戦記(終)
追伸〜ニアピン賞とラッキー7賞を取りました。ついでにオリンピックも勝ちました。T代さんとのニギリも勝利したことをご報告いたします。
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