このコーナーは過去アクセスの多かった記事を加筆・修正して掲載しています。


ルーティーンの大切さ、身をもって知る(1)
先日、NHKで各界の一流スポーツ選手にインタビュー、「いかにルーティーンが大切か」を問うのであった。ルーティーンとは、辞書で引っ張れば『日常の決まりきった仕事』と何だか意味不明なことばであるが、まあ簡単に言うと何か始める前の、意識しない決まりきった手順ということになる。「よけい、わからん!全然簡単になってないではないか」とお怒りの読者に具体的な例を挙げると―

ミスタータイガースと呼ばれた掛布選手(古い例で申し訳ない)、彼はよくファンや芸能人からバッティングの物真似をされた。バッターボックスに入る前から、毎回同じ仕草で同じ素振りを繰り返す。あまりにもパターンとなっているので、非常に物真似しやすい。これは掛布に限ったことではなく、他の野球選手やスポーツ選手のほとんどがいつも同じような作業(習慣、癖といっていい)を繰り返し本番に臨んでいる。

イチローは、テレビのインタビューに対して「いつも同じようなルーティーンで打席に向かいます。まったく意識はしません。あとは来たボールを無意識に打つだけです」

こういう本番前の決まりきった一連の作業を『ルーティーン』というわけだ。で、このルーティーンは、一流の選手だけそうやっているのかと思えば、これがそうではなくて、一般のゴルフ達者のみならず、我々ダッファーでさえ、そんなルーティーンをしているのである。

ここでジャゴラウィのシングルハンデ、ゴルフ講釈師IT氏に「ルーティーン」について尋ねてみる。やはり彼もルーティーンは意識しており「まず狙いどころを決めたら、狙いどころは関係のない方向で一度素振り。それからスタンスを決めて狙いどころを確認、そして数回ワッグルをした後は、何も考えず一挙に振りぬくだけ」ということであった。

IT氏はさらにハルのルーティーンも解説してくれた。「ハルさんはねえ、まずこうでしょ。それからこうでしょ。それからこうするんだよね」

よく観察してるなあ。さらに続けてIT氏

「でもねえ、ハルさん。ハルさんの欠点は、いつも同じルーティーンができていないことなんだ。ミスショットよくするでしょ。その後あせってまた同じようなミスを繰り返すじゃない。そんなときのルーティーンってばらばらなんだよ」

そう言われて、はたと気づいたハル。そうだ。だいたいハルが失敗したときは、「あれ、なんでこんなミスショットが出るの。それだったら今度は素振りなしでやってみよう」とか「じゃあ、今度は横振りに振って」なんていろいろ試しながらやって失敗するパターンが多い。

(以下、次号へ)



ジェイピープルメインページへ