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ティーチングプロの悩み
もう何年も前の話…。友人の誘いで某西洋人ティーチングプロと回ることに。なんでもジャカルタを離れ、スラバヤのゴルフ場へマネージャーとして赴任することがきまって、その前にレッスン生と気軽にプライベートラウンドをしておきたいとの意向であった。ハルはその西洋人プロとは初対面であり、これはハルの友人が私を誘ってくれた実現したものだ。

回るのは、ハルと友人、そして西洋人ティーチングプロの三人。コースレッスンではなくお楽しみラウンドであった。

同じティーから回る。エメラルドの青ティーである。かつては長かったエメラルダの青ティーもいまは若干短くなって、以前ほどではないが易しくなった~とはいえ、コースのアンジュレーションはそのままで、グリーンも速く、いいスコアがなかなかでない…とはハルの友人の弁。

さてその西洋人プロ。カブレラみたいな体つきでとにかく飛ばす。305メートルのミドルホールを果敢にワンオン狙うも惜しくもグリーン横のバンカー手前。それを寄せてらくらくバーディーの上がり。

「つい最近、生まれて初めてのぎっくり腰を患った。40年のゴルフ人生でこんな経験は初めてだ」と腰をさすりながらのプレイであったが、それでもらくらくと300ヤードは飛んでいた。

小技もアイアンも何もかも上手くて上がってみれば、1ボギー、5バーディーの68。

プロも含めていろいろなゴルファーを見てきたが、同伴競技者としてプレイした人の中では断トツであった。

プロだから当たり前といえば当たり前なのだけど。

さてプレイ終了後、レストランでの話。ハルの友人を指して―

「練習場では素晴らしいスイングをするのに、コースではさっぱり当たらないレッスン生が多くてさあ。彼もそうなんだけど」(友人は耳をふさいでいたが)

さらに続けて
「あるインド人の練習生なんか、練習場では本当にいい当たりを飛ばして誰がみても上級者なんだけど、コースに出たら“肩は入っていない”“フォロースルーはできていない”“打ち急いでスイングはばらばら”―。で、ラウンド終了後に言ってやったんだ。『君は一体誰だ!まさか僕の知っているMr○○じゃないだろうなあ。とても同一人物とは思えない』ってね」

そこでハッと気付いたダッファーハル。

土山プロも同じような悩みを抱えているのではないか。ハルのことを誰かほかの人に尋ねられたとき―。

「ああハルさんですか。練習場ではいいスイングをするんですけどねえ。なぜか本番では…」

おそらく世界中のティーチングプロが同じ悩みを抱えているに違いない。


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