友人の結婚式に呼ばれた。いずれも新郎が日本人、新婦がインドネシア人という、ハルと同様な国際結婚のパターン。
そこで我が夫婦の会話は―。※( )内はハルの無言のセリフである。
女房「着ていく服がない。パパ、買ってくれる?」
ハル「……(たくさん持ってるじゃないの。ブティックも開けるほど)」
女房「いつも同じ服だと『それしか持っていないの』と笑われるし」
ハル「……(君が何の服を着ていっても、誰も注目しないと思うよ)」
女房「サイズも測らなくちゃ」
ハル「……(そうだね。二周りぐらい太ったものね)」
で、結局結婚式の数日前、新たな服が編集長ハル家のタンスに並ぶのであった。正直言うと、祝儀よりもこちらの方に金がかかる。インドネシアの場合は立食パーティーで、日本のように何万円も包む必要はない。だから気軽に参加できるのだけど、女房殿の装身具に同額ほどの金がかかるので、懐具合の乏しいハルにとっては、痛手なのだ。
服を買えば、それにあう靴、それに合う鞄、それにあうアクセサリー、コスメティック…。え~い、きりがないではないか。
と理解のないことを言ってはいけない。これはあくまで男の理屈である。だからこれを逆に当てはめてみると
ハル「新しいクラブを買おうと思うんだけど」
女房「……(たくさん持ってるじゃないの?)」
ハル「すごく性能いいらしいんだ」
女房「……(何を使っても同じだと思うけど)」
女房「スコアは変わらないと思うんだけどさあ」
ハル「……(だったら、いまのでいいんじゃないの?)」
男と女は永久に理解し得ない。しかし認め合うことはできそうだ。思いやりのある夫婦になろう。
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