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ハル、まさかこんな展開になろうとは…(終)

前の組が詰まってきたので、ベンチで休憩。しかしレッスンは止まない。

「ほれ、その座った状態で腕を振ってみろ」
言われたとおりにするハル。
「こうですか」
「ダメ、もっと速く」
「こうですか」
「ダメ、ダメ、もっと、もっと。それが精一杯かよ!」
ブンブン、ブンブン、ブンブン、ブンブン、ハー、ハー、ゼエ、ゼエ、腕を振ってへなへなになるハル。

「俺も若い頃、皆とやらされたぜ。『ほら、○○、一人遅れてるぞ~~(青木功の物真似)』って腕組しながらニヤニヤしている人がいてさあ」

ちょっと、ちょっと、それって青木功ファミリー(飯合とか金井とか大町とか)の練習風景じゃないの?

そりゃあ教えてもらえれば、いい勉強にもなるし、いい思い出にもなるし、自慢話もできるけど。でもでもでも…ハルってただのアマチュアで…しかも数日前たまたまカップリングされただけで…弟子入り志願なんてしていない…と言った瞬間、間違いなく瞬殺されたであろう。

そうしてようやく向かえた18番―精も魂も尽き果てて、心身ともにクタクタ状態。なんせ船渡川プロ、ほぼ付きっ切りでハルのスイングをじーと観察しているのだ。これって本当は超ラッキーなことかもしれんが、そもそもハルは何のためにカラワンオープンへ出場したのだ?

いよいよ18番最後のティーショット。もう思いっきり打つしかない。足はベタ足、スタンスは肩幅以下、野球選手のような格好で、ただ肩を入れてブンと一閃。するとボールは凄い勢いで飛び出し、ラフへは行ったが、本日一番の(というより唯一の)飛距離を弾きだして

「ほうら。それでいいんだよ。今日一番飛んだじゃないか」
「・・・・・・」

ようやく全18ホール終了。グリーン上で挨拶する。
「今日は、本当にどうもありがとうございました。勉強になりました」
「そうだなあ。レッスン料払うか、風呂で俺の背中流すか、どっちかにしろよ。かっ、かっ、かっ」

うーむ、恐るべし、日本プロゴルフ協会理事。こうしてハルの記念すべき『プロとの初ラウンド』は終了するのであった。

ハル、まさかこんな展開になろうとは…(終)

追記1~さておもしろおかしく書きましたが、レッスンだけではなく、ここには書けないような、あるいはぜひ紹介したい青木ファミリーの話など、本当に楽しいラウンドであったこともお知らせしておきます。

追記2~船渡川プロ関連の記事を紹介します(ちょっと古いですが)。ご参考にどうぞ(PGAリポート86より)

船渡川プロのプロフィールを再度紹介~1955年04月15日生まれ、178cm・72kg 。ツアー勝利数 4(1986太平洋マスターズ、1984ペプシ宇部、1982札幌とうきゅうオープンゴルフトーナメントなど)。生涯獲得賞金 ¥136,043,173。現在JPGA理事として、またプロアマを問わず指導者としてゴルフ界の発展に尽力中。ツアー選手時代は、セベバレステロスと飛ばし合いを演じ、古いゴルフファンには非常に懐かしい「記憶に残る」選手の一人である。


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