「ねえ、ハルさん、一体いつ上手くなるの?」(終)
ハルがついに意を決した話の続きなのだ。
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「グリップから矯正するとなると、かなりゴルフが崩れますよ。いいですか?」
「オーケイ!ノープロブレム!既にスコアは崩れているので大丈夫!」
おお、なんという脳天気な受け答え。
そしてレッスンが始まった。まずはグリップから。ハルのグリップは、ずいぶん以前、握り矯正付きの練習グッズで作ったもので間違いないと思っていたが、ある日シングルプレイヤーの友人より、「グリップがおかしい」と指摘され、その原因を考えてみたところ、その練習グッズは白人用(手の大きい人用)であり、グローブのサイズが22センチのハルには大きすぎることがわかり、使うのをやめた経緯がある。そのことを土山プロに話したところ、彼も練習グッズの一長一短を指摘し、このことに関しては、ハルと同じ感想を持っていた。
「左手はゴルフボールを包み込む要領で…」「右手の生命線の下に左親指が来るように…」
「親指と人差し指が作るVの字が右肩を向くように…」など‥を教えられる。ところで、JPで彼のレッスンを書いたら、営業妨害になりそうな感じであるが、これらのことは多くのレッスン書にも書いてあり、たとえJPで書いたとしても、絶対その通りにはできない(実際に指導してもらわないと無理!)ので、まあいいだろう。
こうやって正しいグリップを身につけたハル。まず第一段階は終了なのだ。これでダッファーハルを馬鹿にし続けた、押しかけ師匠のO氏、炭火庵のマスター松山氏、ほかジャカルタにいる数あまたのゴルファーをやっつける礎が築かれたのである。
ちなみにハルが土山プロに出した条件は―。
「レッスンは受けることができても練習する時間はあまりない」
だいたい、満足な練習もしないで「ジャカルタ一きれいなスイングを身に付けたい」と思っている傲慢な男を、はたして土山プロは鍛え上げることができるのだろうか。
さらにハルは土山プロに向かい
「JPでも、レッスンぶりを取り上げるので、私が上達すれば、土山プロの評判がますますあがりますよ」
このハルの言葉に、土山プロは喜んでくれたが、彼は重大な点を見逃している。「ハルが上達すれば~」という話なのだ。
ゴルフ歴10年以上、真面目にゴルフをやっても、100絡みどころか110の王と呼ばれるダッファーハル。学生時代は超運動音痴と呼ばれ、スポーツにはほとんど無縁であったダッファーハル。なおかつ「レッスンは受けても練習する時間はあまりない。でも、俺を上手にしてくれ」と超傲慢な態度のダッファーハル。そんな男のレッスンを引き受けて大丈夫なのか。
こうして土山プロはハルとともに茨の道を歩く羽目になるのである。ちなみに彼の予言どおり(「グリップから矯正するとなると、かなりゴルフが崩れますよ。いいですか?」)、レッスン後、二回のラウンドでハーフ60!を連発。まあ今に始まったことじゃないので、ハルはこれぐらいでしょげませんけどね。しかし土山プロにとっては、教え子がハーフ60を叩いたと喧伝されれば立場なし。これは是が非でもハルを上手にしないと。
「ねえ、ハルさん、一体いつ上手くなるの?」(終) |