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シングルへの道をもっとも遮るもの

某コンペに参加したときの話―。

前日は、朝から女房子供と一緒で、ゴルフ前の家族サービス。これをしておかないと翌日のゴルフにどれほど支障を来たすかわからない。だから女房の機嫌は当然いいはずであった。

そしてゴルフ当日を迎える。ところが、さあ出かけようとしたところ
「子供に熱がある。どうしよう」
と我が女房の哀願あり。これは明らかに、私が『子供を溺愛しているのを知っている』女房の引きとめ作戦である。これでこの作戦に引っかかっては昨日は一体何のための家族サービスであったのか。こういえば私がゴルフへ行くのを中止すると思っているのだ。

さあここで仏心を出して、
「そうだなあ。今日のコンペは中止にしよう」なんて言うとでも思っているのだろうか。「ふん、甘いな、俺の女房も」

しかしそんなことは知らんと無碍にする訳にもいかず、子供の額に手をやると、いつもなら(時間は早朝5時)、グースカ眠っている息子が、目を覚ましてニコニコ笑うではないか。さすがは我が親孝行息子、「パパ、僕、元気だからゴルフに行ってきて」とその笑顔をそう解釈し

「よっしゃー!パパは頑張って優勝してくるからね」と女房の哀願を無視してゴルフにでかけるのであった。

場所はジャカルタ邦人庶民ゴルファーの定番となっているポンドックチャベ。スタートは池ポチャもあり、トリプルボギーとさえなかったが、苦手なPAR5の2番ホールをボギーであがり、これはいけるかなと思っていたところ、急にお腹の調子が悪くなってきた。前日クーラーが強すぎたのと、早朝の涼しさで、急遽下痢模様を呈してきたのである。

3番ホールPAR4、右手に池がある嫌なホール。ここは慎重にいかないと…。しかし慎重すぎたのか返って余計な力が入って、見事な池ポチャ。悔しいので、再度ティーグランドよりティーショットを放つが、今度は左方向へ100ヤードショット。そしてチョロを連発し、グリーンへ到達するまで6打を費やす大失態。その間もお腹はグルグルゴロゴロなって、あぶら汗たらたら、3番ホールを終える。もう駄目だ。4番の165メートルでは見事なティーショットを披露し、同伴競技者より「ナイスショット!」とお褒め頂くも、腹具合は限界に近く、4番を終えたところで、屈辱のリタイヤ、トイレに駆け込むダッファーハルであった。その後は人気のないシャワールームで暖かいシャワーを十分に浴び、とぼとぼ家路につく。

「どうしたの、一体?こんなに早く戻ってきて」
「お腹の具合が良くないんだ。ちょっと休むからね」

ふてくされてベッドにもぐりこむダッファーハル。我が女房は勝ち誇ったように笑みを浮かべ「無理したら駄目よ」と言葉使いはやさしいが、彼女の目は「ほうら、私らを放ってゴルフに行くからこんな目に合うのよ」と語っていた。『我がシングルへの道をもっとも遮るものは我が女房』といっても過言ではない。同調される方も多いのではないか。