変わったお客さん(上)
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開店当初は「いつ潰れるのやら」「やっていけるのか」と第三者だけではなく、経営者の店長ハル自身も訝っていたけど、開店から既に五年以上も経過し、いまではそこそこに認知されるようになって、われながら「よくもったなあ」と感心しているのだ。今回より回想の意味もあり、過去のゴルフショップ繁盛記を加筆修正して改めてJPgolfを紹介したい。 |
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ハルがJPgolfを開いて以来、初めての体験である。
夕方5時半頃、友人の誘いで早目の夜食を取る。スタッフに「上のレストランで食事してくる。1時間ほどで戻るから」と言って、彼女(スタッフ)に店を任せる。
さて夜食を終えて、JPgolfに戻ってくると、閉まっているはずの工房Extraspinzで(夕方5時までの営業です)作業をしている人がいるではないか。職人ではなく日本人。
うちのスタッフが彼のとなりでパターのグリップを外し下巻きの紙テープを剥がしている。
「すいません。もう職人帰ってしまったんで、作業できないんですけど」
「これって接着剤付けるんでしょ?」
この工房はハルの友人であるゴルフプロのEdo氏を招聘し開いているもので、JPgolfが勝手に使用していいものではない。勝手にこの工房を使っては駄目なので
「私がやりますので、こちらに来てもらえますか」
グリップ交換は慣れさえすれば自分でできる。その人も自分でしたことがあるのだろう。しかしいくらできるとは言っても、工房を勝手に利用するのはまずかろう。魚をさばけるかと言ってレストランの厨房に入っていく人はいない。
ましてこの工房はJPgolfの所有ではないので、ますます困るのだ。
小声でスタッフに
「なんで勝手にやらせるの?」
「違うんです。私は何度も駄目だと言っているのに、勝手にグリップを切って始めてしまったんです」
「・・・・・・」
(明日に続く)
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