嫌な客(中)

開店当初は「いつ潰れるのやら」「やっていけるのか」と第三者だけではなく、経営者の店長ハル自身も訝っていたけど、開店から既に五年以上も経過し、いまではそこそこに認知されるようになって、われながら「よくもったなあ」と感心しているのだ。今回より回想の意味もあり、過去のゴルフショップ繁盛記を加筆修正して改めてJPgolfを紹介したい。

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この日は約束があってどうしても店にいかないといけない。最初はその客が帰るまでどこかで暇つぶしでもしようかと思っていたが、そうも言ってられなくなってきた。その嫌な客は帰りにJPgolfを覗くに決まっているのだ。

だからハルも覚悟を決めて寄り道することなくJPgolfに向かった。

そして到着
「ねえ、初めての客?」
「いえ、この間、レンタルクラブを借りに来た日本人についてきた人」
「えっ、それって、日系企業に勤めてる奴?」
「そうだと思うけど…」

そこまで聞くとまったく恐れるに足らず…

恐喝に近いような脅しをするようだったら
「お前の会社の上司に連絡してやるからな。あんたところの社員は恐喝するような値引き交渉をして何とも思わない奴だってな」

と逆に恐喝してやろうかと思っていたら、うちのスタッフを脅した客が入ってきて

日本語でハルに話しかけた。

(次号に続く)


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