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狐付き(前)

Q  
先日、大学の授業で運動していたときのことです。
スローモーションの動作の練習をしていたら、突然女子学生が倒れました。倒れた後に、筋肉が硬直し始めて奇声をあげたり、うめいていました。ときどき目を開けるのですが、まばたきをせず焦点があっているのかどうかわかりませんし、話しかけても反応しません。(もしくは奇声はあげるだけです)病院に連れていったほうがいいんじゃないかと先生に言ってみたんですが、「よくあることなので大丈夫」と言って連れていきませんでした。(よくある、というのは彼女がよくあるのではなく、時々学生が同じような症状になるという意味です)

50分くらいこのような状態が続いた後、彼女が意識を取り戻して普通に戻りました。癲癇じゃないかと思ったのですが、「サターンが取り付いただけだ。もしくは疲労が重なっただけ。病院に連れて行く必要はない。」と学生も先生も口をあわせていいます。このような症状にあったときに本当に病院に連れていく必要はないのでしょうか?

実は、私の主人も前に日本でこのような症状になったことがあったので、似ていると思い、心配になりました。


 癲癇がもっとも考えられますが、いわゆるハイになった状態とも考えられます。 自己暗示にかかる傾向がインドネシア人に多く見られますし、同じような例を経験しています。日本には昔、狐つきという病気がありましたが、それと似ているかもしれません。今では、狐つきはなくなってしまいました。

呼吸と脈をみて、しっかりしていれば、一過性とおもわれます。顔色が紫色になるようなら、これは危険です。日本なら、ヒステリー発作とか、癲癇の診断になると思われます。そして、インドネシアでは、悪魔つきとか、ブラックマジックと解釈されるだろうと思います。

医学的な癲癇より、文化的癲癇とも言えるかもしれません。専門外ですから、これはぼくの推測も交えて考えています。



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