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ゴルフ達者ほど我がままである(5)

残り距離およそ1メートル弱。パターが苦手な人やイップスの人ならともかく、日本を代表するトップアマにとっては、まったく問題のない50センチだ。

しかしこの50センチは普通の50センチではない。BSDのポテトチップスグリーン、微妙な傾斜がついて、曲がるような気もするし曲がらないような気もする。さらにはアッキーナさんにとっては、このパットを外せば、少なくともダッファーハルを知るジャカルタ邦人社会で

「あのハルさんに負けるなんて、アッキーナさんも大したことないね」

と、笑い物になり、さらには日本のトップアマやプロと切磋琢磨して築き上げてきた数々の名誉ある記録が一瞬にして瓦解してしまうような、重要なパットであった。

日本オープンにも出場したことのあるアッキーナ―インドネシアで名もなきダッファーに、たとえ一ホールといえども敗れるわけにはいかない。

緊張する一瞬。

「外したら、どうしよう…」

そして、アッキーナさんがこつんと打ったパターは、カップのふちをくるっと舐めて

アッキーナ、ついにダッファーハルに敗れるか!

このとき、アッキーナさんの頭には、走馬灯のように過去の記憶が蘇ったという。千葉アマの連覇、日本社会人選手権での優勝、千葉オープンでのローアマ、日本オープン出場…。これらの名誉ある記録がすべて、インドネシアの一ダッファーにぶち壊されるのか。

しかし、ゴルフの神様はアッキーナさんを見捨てなかった。くるっとふちを舐めたボールが外には飛び出さず、ぎりぎりでカップインしたのであった。

「あっぶねえ…」

本人ならず同伴競技者もどきどきするような一瞬であった。

アッキーナさん、ため息をつきながら

「はあー、よかったあ…。もうちょっとでハルさんにやられるところやった…」

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